2013/10/19

食紅.txtというファイル 【サイト・なろう未転載

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開いてみたら某大人向け作品の没部分(全年齢)だったので捨てる前にコピペしておきます。リデュースリユースリサイクル!

……で、探してた去年書きかけの話のテキストが見つからない! もしかしてこのときのメール(削除済)か!?

 というわけで、バスボムを作ることにした。
 バスボムというのは商品名だから私が作るのはただの『発泡入浴剤』なんだけど、要するにデカいラムネみたいなタブレットの方じゃなくて、子どもが遊ぶボールくらいの大きさの丸い発泡入浴剤を手作りするということだ。
 まずはカカオ○○%、と銘うった甘くないチョコレートを包丁で細かく刻む。普通のチョコでもよかったんだけど、何となく有効成分が多い方が肌に良さそうだから。これを大きめのビニール袋に入れる。
「重曹とクエン酸は3:1の割合で混ぜる」
 由香里からもらったレシピ(料理の作り方以外もレシピって言うんだって!)を目の前に置いて、ドラッグストアで買った重曹とクエン酸をカップで計った。大目に買ってあるから、ざくっと大盛りで大丈夫だ。これをさっきの袋に加える。
「そこへ食紅」
 赤と黄色は百均で売ってたけど、青は百均では売ってなかったからわざわざデパートへ回ってお高い製菓材料売り場で入手した。子どもの頃「黄色+青=緑」、「赤+緑=茶色」って習ったからこれで大丈夫な筈。
 耳かきみたいな付属のスプーンで食紅をすくって入れてたらだんだん面倒になって、どうせ残しておいても他に使うあてないしとこれもざくっとビンから直接大盛りで袋に振り入れてみた。
 あとは混ぜる。粉ばっかりだから混ぜるのは簡単だ。
「そこにアルコールをスプレーする、と……ふおおっ」
 いきなりざくっとした白い粉がまだらに真っ赤に染まって、さらに溶岩みたいにぼこぼこし始めたのでびっくりした。でもスプレーした表面はぼこぼこしてるのに、残りはさらさらなままで全然固まらない。
 いいや、アルコール直接入れちゃえ。
 おっ、泥っぽくなってきた。子どもの頃のどろんこ遊びを思い出して楽しい。これストレス解消にいいかも。
 混ざってどろどろしたそれをビニール袋越しにおにぎりみたいに握って形をつくると、結構いい感じになってきた。でもこのままじゃいかにも子供の泥遊びみたいだ。もうちょっとハート型とかにかたちを整えたい。あ、こっちにひび割れができた。あ、こっちぼろぼろ。
「ねえっ、バスボムが崩れちゃうだけどっ!」
 いきなりの電話にも由香里は動じなかった。
「あんまりぐにぐにしてたら、アルコールだからすぐ乾いちゃうよ」
「よし分かった」
「健闘を祈る」
「うぃっす」
 由香里の激励に応えて電話を切る。
 ふと我に返った。私、何頑張って手作りとかしちゃってるわけ? チョコじゃないけど(いや一部はチョコだけど)何か彼氏にバレンタインに手作りとか必死になってない?
 だめだ、ここでそんな基本に戻って悩んだら負けだっ。
 こんなちっちゃなものでもこれだけ大変なんだから、雪まつりの自衛隊員さんたちは大変だよなー。